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たこちゃん家のワンコ  ~Breeding House 児玉繁殖~
・・・ ポメラニアン パピヨン ヨークシャーテリア の可愛らしさを伝えたい! ・・・ 三重県伊賀市のブリーダー
ブリーダーが望む死に方
今日も真面目な話なので、可愛い仔犬の写真は
1枚も登場しません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日、入院中の伯父のお見舞いに行って来ました。
思ったよりも元気そうだったので一安心したのですが…。

伯父ったら、空いている隣のベッドの方を向いて、
「この間まで、隣にも居たんやけどな…」
と、徐に静かに語りだしました。

死んだのか!?
その様子を間近で見て、死への恐怖が込み上げて来たのか!?
と察し、伯父の不安を一緒に受け止める覚悟をし、
励ますのではなく寄り添うつもりで、じっと目を見つめて
伯父の話を聞きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

隣のベッドの方は、70歳の1人暮らしのお爺さん。
朝起きると手足が痺れていたので、近所に住む知り合いの
看護士さんに相談したところ、
『それは脳梗塞! 動くのは厳禁! 今すぐ救急車を呼ぶから』
との事。

でもそのお爺さんは50~60匹のワンコを飼う
ブリーダーさんだったそうで…。
救急隊が駆け付けた時、
「こいつ等に餌やりを終えるまで、ちょっと待ってくれ…」
と、震える身体でワンコ達の世話をしていたそうで、
やり終えるまでは、救急車に乗らないと拒否し続けました。

何とか病院までは連れて来たものの、
「入院はしない!」と一点張りのお爺さん。
心配したご近所さんが、代わりに餌やりだけはするから…と説得し、
お爺さんは暫く入院する事にしました。

がっ!
この寒波の大雪のせいで、餌やりに来てくれていた方が転倒し、
もうそれも無理になってしまって…。

居ても立っても居られなくなったお爺さんは、
入院中にも関わらず昼過ぎにタクシーで家に帰り、
ワンコの世話をしては夕方にまた病院に戻って来るようになりました。

でも、それが許されたのも週末のたった2日間だけだったそうです。
病院の規定としては、毎日の外出は許されないとの事・・・。

『だったら退院する!』と言い出したお爺さん。
医者や看護師は勿論の事、同部屋の伯父も
「僕もパピヨンを飼っているから、犬が可愛いのは分かる」
って必死に引き留めたそうですが。

『わしは犬舎で倒れ、ワンコを抱きしめながら死ねるのなら本望や』
と言い、強引に退院したとの事でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

なぜ伯父がその話をしたのか、本意は不明です。
ただ同じブリーダーだから…と軽い気持ちで話したのか、
若しくは、私の将来を見ているようだと心配してくれているのか…?

ただ、伯父の前では常に笑顔で、ポジティブシンキングで居ようと
決めていた私が、その話を聞いてく涙が止まらなくなったのは迂闊でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

いずれ訪れる自分の将来(人生最後の瞬間)を重ね合わせてしまった
感情は勿論なのですが…。
商売にならないと判断するや否や、野山にワンコを遺棄する悪徳ブリーダーも居る中、
私と同じような気持ちでワンコを愛するブリーダーさんがこんなにも身近に居た
って嬉しさでの涙でもありました。

しかし、100%認めている訳じゃありませんよ~。
このお爺さんの記事を読んで、反論感情が芽生えた方もいらっしゃるでしょう。
だって、私自身も同感すると同時に『無責任!』って思ったもの。

70歳にもなったら、いつ倒れて入院するか分からないもの。
自分は犬舎で突然死しても幸せだろうけど、残されたワンコたちは
ゲージに閉じ込められたまま餓死するのを待つだけかもしれない…。

本当にワンコを愛しているのなら、ブリーダーとしての引退時を考え
飼育頭数を減らしていくのがベストなのですからね。

自分の寿命なんて分からないし、70歳で引退したとしても
100歳まで元気で生きていれば、早すぎた引退だと後悔するかもしれませんが
ワンコへの責任を考えると、引退時期は早い方がイイのかもしれません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ただ1つ言えるのは。
ブリーダーという仕事は、命を売買しているって事。
ワンコを愛するが余り、犬が居る幸せな生活を一人でも多くの人に
知って欲しい…って思いから、この仕事に情熱を掛けていますし、
後ろめたい気持ちなどは一切ありませんが…。
命を懸けて出産し育ててくれる母犬たちに対して、感謝の気持ちを
大切にしています。

その母犬たちに対しては、自分の命が尽き果てるそのギリギリまで
こちらも命を懸けて向き合わなくちゃって思っています。

犬舎で倒れ死ぬ事が本望だってのは、ただの愛犬家の想いではなく、
今まで育てて来たワンコ達へ、最期まで自分の人生を掛けて居る事の
証明のように考えています。



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コメント
。。。。。
いつも拝見させて頂いてます。

仰ってる事は、結局きれいごとですね。
そのような高い志を持ってブリーダーをされているのであれば、
きっと良いブリーダーさんなんだと思います。悪徳業者に比べれば。

でもペットショップに行った、自分の子たちを追いかけましたか?
売れ残った子がいないか?
売れなかった子がいたらを引き取りましたか?
売ったら売りっぱなしでしょ?

産むだけ産ませて可愛い時期だけご自分たちは見て
ペットショップ行った後は関係ない。
と全てのブリーダーは同じですね。私からすれば。

でもそれはあなたが悪いのではなく
日本の制度が悪いのだと思います。
このような売り方自体を無くさなければ不幸な子は減らないと思います。

ところでなぜこのブログをよく拝見させて頂くようになったかと言いますと、
「出荷予定」ってタイトルです。そのタイトルにビックリして
それ以来気になって拝見させて頂いてます。

ブリーダー業界では普通のワードなんでしょうが、
野菜や荷物じゃないんだし大切な家族になる予定のワンコ達に
「出荷」という言葉を使う事に違和感をすごく感じます。

このような言葉を使われる時点でまともなブリーダーさんなのか?という思いもあります。
でもそれもきっとあなた自身が悪いのではないのでしょうね。
あなた自身は高い志をお持ちのようなので。

日本の制度とブリーダーとペットショップ。
ホントどうにかして欲しいです!


[2018/02/07 07:14] URL | わんこ母 #sSHoJftA [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2018/02/07 19:28] | # [ 編集 ]

Re: わんこ母さんへ
いつも読んで下さっているとの事、そして初コメント
ありがとうございます。

◆「出荷予定」というタイトルについて

このタイトルに違和感(嫌悪感)を感じるとの意見は
今までにも愛犬家さん達から同じようなコメントが届きました。
その度にご説明させて頂いているのですが…。
愛犬家さんにとってはショッキングな表現だと分かっているのですが、
このブログは同業者さん(ペットショップさん)もチェックして
下さっています。
「〇月〇日出荷予定のワンコ」とタイトルを統一させる事によって、
ショップさん達が一目で分かり、内容を読むか読まないかを
判断しやすくする為に、このタイトルを継続しています。

タイトルは「出荷」ですが、内容の方は「巣立ち」という表現に
していますので、ご理解下されば…と願います。


◆ペットショップに行った仔犬のその後

巣立った仔犬は、必ずそのショップさんのHPをチェックし、
紹介されているページを印刷して全て残しています。
(HPのないショップさんの場合は、追跡不可ですけどね…)

以前にもブログで紹介したのですが、夜な夜なHPをチェックしては、
まだ写真が残ってるな~って拝見しながら、
優しい家族と巡り会える日を待ち望んでいます。
「家族が決まりました」って出るお店もあれば、
ある日突然写真が消える事もありますが、どちらの場合も
家族が決まったんだな~って喜びながら、
どんな家族かな? と想像しています。
『神戸のお店だから、セレブな方の家族になったのかな?
ブランド物の服やリードを付けたりするのかしら?』
『青森のお店だから、リンゴ農家の豪邸に嫁いだ?
 やっぱりオヤツはリンゴかな~?』
と…。
(確認の仕様はないですけどね…)

そしていつか、優しいご家族と一緒に里帰りしてくれる事を願い、
できれば写真1枚、コメント一言でも届く事を願い、
ブログの最後には犬舎名を記載しています。
(飼い主さんが血統書名や出身地等で検索した時、
直ぐに私のブログがヒットするようにね…)


これも以前にもブログで紹介したのですが、京都のショップまで
我が家のワンコを見に行った事がありました。
再会できたのは嬉しかったのですが、
「ママ、やっと迎えに来てくれた~」って大喜びするワンコを
見ると、号泣してしまい、店員さんにバレてしまいました。
しかも、もう一度その子とお別れをするのは後ろ髪を引かれる程辛く
帰るに帰れなくなって…。
号泣しながらの帰り道、私自身もだけど仔犬にとっても、
辛い別れを経験するのは1度で十分! もう2度とショップへは
会いに行かないって決心しました。


売れ残り成長したワンコですが、取引価格を返金して私が引き取らなくても
別のブリーダー達が欲しがりますので、案外高値で取引されるんですよ。


時代に合わせ動物愛護法もどんどん改正されていますので、
飼育や展示に関する規制も厳しくなってきていますし、
一昔前のように、殺処分や保護団体に引き取ってもらうなんて事は
できなくなってきています。
5年前、10年前とは随分変わりました。

そして5年後、10年後にはわんこ母さんが望む世界に
どんどん近づいて行ってるのではないかと、私は思いますよ。
[2018/02/08 01:10] URL | siemたこちゃん #- [ 編集 ]

Re: 鍵コメTさんへ
すっごい長文のコメントありがとう…。
本当にありがとうございます!

私の事をこんなにも理解して下さっているなんて~。
感激です!!!

仔犬を売りたいだけなら、可愛い仔犬の写真を紹介するだけで
いいんだけど…。
顔の見えないネットだからこそ、私と言う人間を知ってもらいたくって、
楽しい事、辛く悲しかった事も、ブリーダーの全てを
紹介してきました。
あぁ~、伝わっている人が居て良かった…って実感しています。

Tさんのコメントで何よりも嬉しかったのは、
『私達は~』って言葉でした。
私ではなく、私達…。
Tさん以外にも一人でも多くの方に、私の思いが伝わっていれば
本当に嬉しいです…(ノД`)・゜・。
[2018/02/08 01:38] URL | siemたこちゃん #- [ 編集 ]

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[2018/02/10 00:28] | # [ 編集 ]

Re: 鍵コメYさんへ
愛犬家さんだって、ワンコより先に逝ったら…
って考えるんですものね。
何十匹も飼っているブリーダーなら、
尚更、その子達の命の責任を考えなくては…ね。

でも私、このお爺さんの気持ち分かるんですよね~。
自分はどうなってもイイから…って強引に退院しちゃう気持ち。

このお爺さんも、今回の事で自分の体調を考え
ワンコ達の将来を見返すきっかけになっていれば…と願います。

それと…。
心温かいコメント、ありがとう!
私ではなく、私たち…の1人になってくれて
とても嬉しいです。
理解してくれている人が居るって、ホント心強い!

これからもワンコの為、愛犬家さん達の為に
私が出来る事は何なのかを考えながら、
前向きに頑張ります!
[2018/02/10 01:47] URL | siemたこちゃん #- [ 編集 ]


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プロフィール

siemたこちゃん

Author:siemたこちゃん
緑あふれる里山で家族経営の
小規模ブリーダーをしています。
大空の下、広場でノビノビと駆け回り
ストレスのない環境でブリーディング
しているのが、我が家の自慢です。
アットホームな環境で育つ仔犬達の
成長記録をご紹介しています。

◆ 業者登録番号
三重賀販25-6号

三重県伊賀市
児玉貴恵

◆ お問合せ先
jero1212@ict.jp



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